とは何なのか

ずいぶん初歩的な話で恐縮ですが、これは自分が前から疑問に思っていた事なのです。と言いますのも、皆さんは微分方程式の解法で変数分離解法というのをご存知だと思います。

こんな感じです。

[この微分方程式を解け]

[解]

    両辺をyで割る

    分母を払うようにdxを移項

(1)

    両辺にインテグラル記号を付ける

(2)

    積分する

    終わり。

ここで腑に落ちないのは(1)の変形です。はきちんと書けばの事であり、微分演算子に作用している、という事のはずです。はあくまで1個の演算子であって分数ではありません。勝手に上下を分割する事などできないはずです。しかしこの解法もまた教科書に載っているやり方です。これによって自分の理解は、「は分数ではないが、時々分数の様に扱ってもよい。」という、とても玉虫色な理解になってしまいました。

社会人になってからこの辺りを一から勉強し直したところ、このモヤモヤを払う事ができました。みなさんの中にも、このトラップにはまっている方も居るかもしれないと思い、ここで報告させていただきます。

まず、答えから先に言うと、変数分離解法は「カンタン計算虎の巻」ともいうべきもので、正規の操作ではありません。本当は「合成関数の微分則」から逆演算するのです。

学校の先生も「合成関数の微分則」が裏で働いているという事については説明していたかも知れませんが、学生の時の自分はここいら辺の線がまったく繋がっていませんでした。

合成関数の微分則とはどうゆうものかといえば、例えば

=という関数があったとします。そしてだったとします。

こので微分すると

と計算できるのが合成関数の微分則です。

ここでの関係が未知だったら

(3)

こんな感じになると思います。

これを踏まえて、最初の例題をへんてこな分数扱いをせずにやってみると、

[この微分方程式を解け]

[解]

    両辺をyで割る

    両辺をで積分

と、ここで(3)式を思い出すと左辺の積分の中身と同じです。(3)式は微分、そしてここではそれを積分して元に戻そうとしているわけで、つまりこれは(3)式の逆演算です。 なのでこの左辺の積分は

 →

と計算できるのでした。右辺の積分は

 →

なので、まとめると

と計算できるのでした。

この逆演算の部分をショートカットして公式化したものが変数分離解法だったのでした。


変数分離解法が成り立つかどうかは、結局と同じになるのか、と言う事にかかっていると思います。

一般的に書くとと同じか? と言う事です。

そもそも微分とは何か、と言えば、を例にして言えば、がほんの少しだけ動いた時に、それにつられてはどれだけ動くか、という事だと思います。では積分とは何か、と言えば、を例にして言えば、ある時点でのの値にを掛けた物を、を少しずつ(ずつ)ずらしながら足し算していく、という事だと思います。記号は元々足し算を表すのSから来ていますからね。結果的にこの積分の結果は面積になるのでした。

ではとするとどうゆう意味になるのでしょうか、まずとは、がほんの少しだけ動いた時に、それにつられてはどれだけ動くか、ということでした。それにを掛けるということは、につられて動くの変動量が求まる事になります。それを足し算していくとどうなるのでしょう、が少しづつ動きながら、その時々につられて動くの変動量を足していけば、結局それは関数の動きそのものになります。なのでになるのでした。

ではだったらどうでしょう、まずを掛ければ、に対応するの変動量になります。さらににつられて動くの変動量なので、結局これはにつられて動くの変動量ということになると思います。そのの変動量をずっと足し算していけば結局これも関数の動きそのものです。結局は、駆動変数がか、という違いがあるだけで、両方とも関数の動きをトレースしている、という事だと思います。まあ、やっぱり見たまんまの結論でしたが・・

それにしても初学者にいきなり変数分離解法を教えるのって、ちょっと邪悪だと思いませんか?

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